Windows 7 64bitにて、アダプテックAHA-2940 SCSIカードを使う




64bit環境にはSCSIドライバが無い

皆様ご存知の通り、Windows 7からSCSIカードはレガシーインターフェース扱いとなり、殆どの場合にてSCSIカード用のドライバが提供されなくなりました。
Windows 7以降のOSでのドライバは全く無いか、有っても32bit版のみの提供と言った感じで、特に64bit環境にてドライバが無い傾向にあります。
しかし、今や世のパソコンは64bitで動いているパターンが多いのではないでしょうか?
そしてまれにSCSI環境が欲しくなるものの、64bit版のドライバが無く、困った事はありませんか?
SCSIカードとしてはデファクトスタンダードの地位を確立したと言っても過言ではない、アダプテック社製SCSIカード、AHA-2940をもってしても32bit版しか
提供されていない状況です。

そこでここでは、AHA-2940を64bit版Windows 7以降のOSで、「無理矢理」使う方法を書きとめておきます。
尚、この方法はとても高度なパソコンスキルが必要であり、場合によってはOSのクラッシュ等の危険性もあり、あえて難しく書いていこうと思っています。
以下の方法を読んで、少しでも意味が判らない、と、思った方は、止めておいた方が無難です。

又、以下の方法を試した結果、パソコンがどの様な状態になろうとも、パソコンドクターエスペランサは責任を負いません。
あくまで自己責任でお願いします。


下準備


インターネット検索で、どこからか、"AdaptecAic78xx.zip"を探して来て下さい。
あえて場所は書きません。
もしここで見つけられない、と言う方は、以下の方法はスキルが高すぎて無理です。
申し訳御座いませんが、その際は諦めて下さい。

又、Windows 8以降のパソコンで同じ事をやる場合は1つ手順が増えます。
こちらを参照して下さい。

いよいよ作業に入ります


まずは、見つけた"AdaptecAic78xx.zip"のウイルスチェックをして下さい。
あまり怪しいサイトからダウンロードした物にはウイルスが入ってるかもしれません。

ウイルスチェックを無事パスしたら、"AdaptecAic78xx.zip"を解凍し、出て来たファイルの"djsvs.inf"の該当部分を次の様に変更します。

変更
[ADAPTEC.NTx86]
%PCI\VEN_9004&DEV_7078&SUBSYS_70781414.DeviceDesc% = aic78xx_Inst, PCI\VEN_9004&DEV_7078&SUBSYS_70781414

変更
[ADAPTEC.NTx86] 
%PCI\VEN_9004&DEV_7178.DeviceDesc%  = aic78xx_Inst,  PCI\VEN_9004&DEV_7178

変更
[ADAPTEC.NTamd64]
%PCI\VEN_9004&DEV_7078&SUBSYS_70781414.DeviceDesc% = aic78xx_Inst, PCI\VEN_9004&DEV_7078&SUBSYS_70781414

変更
[ADAPTEC.NTamd64]
%PCI\VEN_9004&DEV_7178.DeviceDesc%  = aic78xx_Inst,  PCI\VEN_9004&DEV_7178

変更
[Strings]
INF_PROVIDER="Microsoft"
ADP="Adaptec"
FLOPPY_DESCRIPTION="ADAPTEC SCSI Adapters - Microsoft Disk"
PCI\VEN_9004&DEV_7078&SUBSYS_70781414.DeviceDesc = "Adaptec AIC-7870 PCI SCSI Controller (Emulated)"

変更
[Strings]
INF_PROVIDER="Microsoft"
ADP="Adaptec"
FLOPPY_DESCRIPTION="ADAPTEC SCSI Adapters - Microsoft Disk"
PCI\VEN_9004&DEV_7178.DeviceDesc="Adaptec AHA-2940/2940W PCI SCSI Controller"

変更が完了したら、"djsvs.inf"に上書きします。


次はインストールします


SCSIボードを取り付け、パソコンを立ち上げると、SCSIコントローラーのインストールに失敗している事と思います。
そこでまずは、デバイス マネージャーを立ち上げ、「不明なデバイス」になっているSCSIコントローラー、"2940"のドライバーの更新を実施します。

その際、ドライバー作成元が不明とウォーニングが出ますが、無視して続行し、インストールを完了します。
すると、デバイス マネージャーで記憶域コントローラーとして"Adaptec 2940"が認識されている事と思います。
これで64bit環境でもSCSIコントローラーを使える準備が整いました。
あとは実際にSCSI機器を繋いで動作確認をして下さい。


もう1つのAHA-2940、AHA-3940Uでも同じ方法でインストール出来ます


筆者の自宅にあるのは、実はAHA-3940Uで、これは、1枚のカードにブリッジチップを使い、AHA-2940を2枚載せているSCSIカードです。
PCIスロットを1つしか使わないのにAHA-2940の2枚挿しを実現できるカードとして知られていました。
そこで今回は、AHA-3940Uも、同じ様な方法で使ってみようと思います。


AHA-3940Uでの作業


AHA-3940Uでも、"djsvs.inf"の書き換えを行います。
AHA-3940Uの場合は、以下の通りです。

変更
[ADAPTEC.NTx86]
%PCI\VEN_9004&DEV_7078&SUBSYS_70781414.DeviceDesc% = aic78xx_Inst, PCI\VEN_9004&DEV_7078&SUBSYS_70781414

変更
[ADAPTEC.NTx86] 
%PCI\VEN_9004&DEV_8278.DeviceDesc%  = aic78xx_Inst,  PCI\VEN_9004&DEV_8278

変更
[ADAPTEC.NTamd64]
%PCI\VEN_9004&DEV_7078&SUBSYS_70781414.DeviceDesc% = aic78xx_Inst, PCI\VEN_9004&DEV_7078&SUBSYS_70781414

変更
[ADAPTEC.NTamd64]
%PCI\VEN_9004&DEV_8278.DeviceDesc%  = aic78xx_Inst,  PCI\VEN_9004&DEV_8278

変更
[Strings]
INF_PROVIDER="Microsoft"
ADP="Adaptec"
FLOPPY_DESCRIPTION="ADAPTEC SCSI Adapters - Microsoft Disk"
PCI\VEN_9004&DEV_7078&SUBSYS_70781414.DeviceDesc = "Adaptec AIC-7870 PCI SCSI Controller (Emulated)"

変更
[Strings]
INF_PROVIDER="Microsoft"
ADP="Adaptec"
FLOPPY_DESCRIPTION="ADAPTEC SCSI Adapters - Microsoft Disk"
PCI\VEN_9004&DEV_8278.DeviceDesc="Adaptec AHA-3940U/3940W PCI SCSI Controller"

変更が完了したら、"djsvs.inf"に上書きします。


インストール方法は同じです


AHA-3940Uを取り付け、パソコンを立ち上げると、ブリッジチップのインストールには成功するものの、SCSIコントローラーのインストールにはやはり失敗します。
そこで同じ様に、デバイス マネージャーを立ち上げ、「不明なデバイス」になっているSCSIコントローラー、"3940"のドライバーの更新を実施します。
AHA-3940Uの場合、2チャンネルあるので、2回やる必要性があります。

その際、やはりドライバー作成元が不明とウォーニングが出ますが、無視して続行し、インストールを完了します。
すると、デバイス マネージャーで記憶域コントローラーとして"Adaptec 3940U"が認識されている事と思います。
あとは実際にSCSI機器を繋いで動作確認をして下さい。

ここでは、SCSI時代の化石、外付けORBドライブを接続し、動作確認としてCrystalDiskMarkを実行した結果等を載せておきます。








それにしてもORBドライブの遅さは今となっては逆に凄いですね。
消えるのもやむなし、と言った所でしょうか。


総評


何はともあれ、Windows 7 64bit環境にて、AHA-2940やAHA-3940Uが無理矢理ですが使える様になったのは、いろいろとメリットがあると思います。
SCSIインターフェースしかないちょっと古めのスキャナ等が息を吹き返す事と思います。
この情報が、何らかの役に立てれば幸いです。